2013年8月14日水曜日

MOOCから考える反転教室の可能性

久々のBlog。
最近は勉強どころではなく、メンバーのマネジメントやら業績管理とやらで忙しかったけど、夏休みに入って久々にBlogを書こうと思います。

最近、MOOC(massive open online course)が話題になるようになってきましたね。コーセラやカーンアカデミーという名前もだいぶ教育界には浸透してきたように思います。教育界に身を置く小生にとってみると大きな脅威になってくると感じています。

  1. コンテンツは完全無料
  2. 講義や知識はオンラインに移行
  3. なんでも、いつでも、どこでも

組織開発や人材開発を研修という形式を通して支援をしていくこれまでのビジネスモデルを考えると、「場」を通したサービスも変容していかないといけないと思います。また、同時に旧来から教育コンサル業界が抱える課題である、お客様から求められる「成果」に如何に応えていくかを考えるきっかけでもあります。

従来、教育コンサルティング業界は、大手企業の階層別研修を実施し、リピートをもらうという構造で儲けてきました。そうなんです。結局、やったらやりっぱなし。その後、どうなったかなんて気にも留めていません。研修の中で見えた課題を再提案することに終始し、現場での実践度合いやその組織の生産性寄与の程度など(わかっていても)気づかないフリをしてきました。

そういう意味では、今後教育コンサル会社も「成果」を徹底的に考えていかなければいけない時代に突入していくのではないか、というのが小生の予想です。採用ビジネスと同じですね。

ここでキーワードになってくるのが「反転教室(Flipped Classroom)」です。反転教室に関しては、東京大学大学院教授の山内先生が詳しくその取組みをされています。関連記事もすでに結構あります。

要は、授業はタブレットやパソコンから自宅で、教室ではディスカッションを通して議論を深める。現段階では、学生や塾などで展開されている現状ですが、これは社会人教育や企業内研修でも今後展開されるべきだと考えています。

学習コンテンツはMOOCのような形を取らなくても、Googleで検索をすれば莫大な情報収集をすることができます。ソーシャルメディアで人々が繋がりやすくなったことでも、いろんな専門家とコンタクトすることが容易になってきました。

そういう意味では、企業内研修は知識のインプットのために大きな投資をするのではなく、問題解決のセッションとしての投資に変わっていくべきだと思うのです。事前のオンライン学習で知識を事前にインプット、研修の場ではリアルな職場や組織の課題についてディスカッションをする。

学習は単なる手段でしかありません。この目的なき研修そのもので儲けていくことも、今後難しくなっていくでしょう。

注目していきたいですね。

ではでは、またの思考の旅へ。

2013年4月29日月曜日

社員の学習への内発動機づけを高める方法

小生、中小企業を中心にお伺いして教育研修や人事コンサルの支援をしている訳なんですが、最近よく思うのが、学習意欲が低い状況をなんとか改善できないか、ということなんです。

学習コンテンツを安価に大量に用意しても、この学習意欲が低い方々に案内したところで学習がなかなか進まないという現実に直面しています。ちょっと前のEラーニングも、どこでも、何でも、いつでも学習できるというメリットがありながら、学習進捗という意味で非常に難しい戦いを強いられてきました。

この学習への動機づけの問題。

組織の2:6:2の法則と同じように、組織内の学習にも積極的学習者、消極的学習者、それ以外が存在します。上位2割の積極的学習者はほっといても自ら学習して、組織に貢献をしてくる人々です。教育コンサルとしてはこの中位6割の消極的学習者、いわゆる研修の機会を提供されたら、または上司から言われれば学習をするが、自発的に学習をしない方々をどのようにモチベートするか、ここがミソになってきます。

僕が思うに、この動機づけのポイントって、

「評価機会」

なんじゃないかって思うんですよ。

アメリカでは教育の成功報酬っていうことで、APPアカデミーというプログラマー養成学校が注目を浴びています。簡単に言うと、APPアカデミーでプログラミングを学習して、就業したら学費を頂戴します、っていうビジネスモデル。

教育という非常に成果が出にくい領域で成功報酬モデルをやっていけるのも、この「就業」という評価機会、受講生に明確な動機が存在するからこそだと言えます。

そういう意味では、社員に主体的に学習に励んでもらう「評価機会」を如何に創りだせるかが重要であるということになります。人事評価制度や評価者のスキル向上、表彰制度、最近ではゲーミフィケーションを用いたユニークな制度を用意している企業もありますね。

組織では、明確にこれをやったら成果がでる、という成果までの指標が不確実であるがために非常に難しい問題なのですが。この「評価機会」が重要なキーファクターになりそうですね。

それではまたの思考の旅へ。
katsumata114

2013年4月7日日曜日

企業内研修はどこまで必要か?

実際に、社会人になってからこれまで教育コンサル業界に身をうずめてきた小生がこんなことを言うのは非常にアイロニーに満ちており、ちょっと寂しくもありますが。

4月になり新入社員が入ってきた企業もたくさんあると思います。自分は営業マネジャーとしていろいろと育成や指導に当たるわけですが、そんなことをしているうちに気づいちゃったわけですね。これまで研修会社が提供してきた教育機会がどれだけ有効だったかということを。

例えば、営業強化でいくと、大体の教育コンサル会社が営業プロセスの研修かソリューション提案系の研修を持っています。もちろん、そのフレームワークを学習するということは無駄ではないですし、非常に有用なんですが。ここで思うことが1日~2日、あるいはそれ以上の日数をかけてプログラミングされているケースが非常に多いということです。

翻って、今の自分自身を振り返るとどうか。

正直に申し上げて、では僕がそういった教育にお金をかけてまで部下を参加させようと思うかどうか、というと効率的な投資ではないと考えます。営業プロセス、ソリューション提案のフレームワークの学習に3時間程度出してもいいと思いますが、それ以上のことを外部に委託して望むのはあまりいい投資だとは思いません。

むしろ、その3時間でフレームワークを学習してきてくれた後は、僕自身がフォローしてあげるほうが多分教育効果性は高いと思います。なぜなら、教育研修はセオリーしか教えてくれず、各企業が業績向上を行うためのポイントまでは教えることができません。

教育研修を売るということでいうと、お客様の業界状況、戦略、その遂行状況・GAP、GAPの明確化・テーマ化、テーマに基づいた研修企画ということで考えると、営業プロセスやソリューション提案のフレームワークが全てではないですね。セオリー以外の個社別の業績向上のポイントは、管理職がフォローしてあげる他ないんですね、これが。

教育コンサル会社はこれまで、研修をたくさん実施することが学習効果や業績向上を促すという欺瞞に浸ってきました。教育コンテンツは正直に申し上げるとどこも変わらないし、業績向上に寄与する割合など、名講師だろうとなんだろうとほとんど変わりないような感じがしています。

自分自身、こういった矛盾を解決するために新たな視点を持たないといけないなーと日々精進するのみですね。もちろん、既に考えているところではあるんですが。

もっともっと小生で煮詰めて今後発案をしていければいいなーと思っています。


2013年4月6日土曜日

教育コンサルのビジネスモデルの今後を考える

最近考えていることは、教育コンサルのビジネスモデルを如何に変えるか、ということです。

教育コンサルのほとんどのコストは営業やコンサルタントの人件費です。労働集約型であり、人が動かなければ料金は発生しません。コンサルタントが動くことでその対価として、研修やコンサルテーションを提供するということですね。

1995年くらいからアメリカでは「パフォーマンスコンサルティング」という概念が生まれ、人材育成が企業の成果に寄与する割合は2割程度ということがわかってきました。それによって、人材開発部門や教育コンサルティング会社は育成の効果性を最大化するために、事前準備や事後の現場でのフォロー促進など様々な支援を行ってきました。

いくら効果性の高い支援を!と意気込んだ所で、これまでのように人が動くことでサービスを提供することを行ってきました。

Eラーニングという手法もありますが、経験上この効果性も非常に難しい問題がつきまといます。教育研修は、「場」という非常に強制力の高い要因が学習を促進させることでそれなりの効果を導きだしますが、Eラーニングになるとその「場」の強制力は効かず、学習や本人の意欲によって学習する人・しない人と分かれてしまいます。

本来教育コンサル会社の役割は、上記のような組織内に2割程度存在すると言われている積極的学習者の支援ではなく、それ以外の消極的学習者を支援するべきなのですが、主体的な学習の「場」を創りだせないことには、Eラーニングもなかなか効果的な手法とは言えません。もちろん、事前準備や課題認識を行わせることによって、Eラーニングの前にある程度、主体的な学習態度を創造することは可能ですが、それにしても、なかなか効果的なアプローチは存在しないように思います。

そこで考えているのは研修の「場」とオンライン学習をブレンドさせた学習サービスです。オンラインで事前に学習したことを、「場」においてアウトプットさせるようなサービスはこれまでの一長一短をカバーする、ベターな手法であると感じます。

「場」において発揮させる必要性があるため、学習者もまったくオンライン講座を受けないということには行きません。そこで強制力が働きます。また、「場」は単なるアウトプットする場であるというと、聞こえは浅はかな感じがしてしまいますが、このアウトプットする前に事前課題としてレポートを書かせることで考えるプロセスを創造できますので、思考力も同時に鍛えることが出来ます。ここで重要なポイントはオンライン講座数が他社と比べて群を抜いているということ。このオンライン講座のプラットフォームにいけばありとあらゆる組織人に必要な講座が揃っているということが、ビジネスモデル的にも非常に重要なポイントになってくると思います。

本質的には、職場でこのような消極的学習者を主体的、能動的にする仕組みを発明することが重要にはなるわけですが、この競争社会においてはなかなかそういった仕組みをつくることは難しいと思います。

今後もこのテーマについては考え続けていきたいと思います。

それでは、またの思考の旅へ。

2013年3月16日土曜日

企業内教育にリベラル・アーツを

先日、電車にて稲森さんの『生き方』という書籍がロングセラーになっているという広告を見かけました。僕自身も購読したんですが、多分4年前くらいに読んだ本です。この書籍が、未だに世代を問わず売れていることから読み取れること。

日本全体が心のよりどころを求めているということではないでしょうか。

僕は企業内研修を企画しているので、どうしてもそういう観点から考えてしまうのですが、我が社でもこういった考え方や教養講座の評判が非常に高いということとリンクしてきます。

『評価経済社会』でも書かれていたように貨幣経済が終焉し、人々は本当に自分にとって正しいことを求めています。主観正義に照らし合わせて、生き方を探し求めている時代にあたっては、こういった教養、リベラル・アーツ的考え方が攻勢を強めてきていると思います。

このリベラル・アーツについては、鈴鹿短期大学学長の佐治晴夫先生が詳しく話をされているので、参考までにリンクを貼っておきます。端的に言うと、

世の中の真実を追求していく姿勢、これがリベラル・アーツです

ということみたいです。

加えて、野中郁次郎先生もacademyhillsで企業人に教養が求められるということをおっしゃっています。

おそらく賢慮というものは、さまざまな関係性を読み取ることが肝心です。そのとき大きな力を持つのは、哲学、歴史、文学、芸術などの教養です。マネジメントのハウツー本では、大きな関係性や本質を見ることはできません。

時代の流れが速い昨今、企業内のマネジメントもその本質を掴むべく悪戦苦闘しています。むしろ、掴みきれず環境適応できないためにメンタルダウンしてしまうことも最近は増えてきています。

自分自身の人生におけるウェイを確立する、または組織内で活躍するにあたってはこのリベラル・アーツが重要性を増してきているのかもしれません。

それでは、またの思考の旅へ。

2013年2月9日土曜日

組織開発アプローチがこれまでうまくいかなかったたったひとつの理由

久々のBlogです。

10月以降、新しいミッションを担うにあたって自分なりにインプットとアウトプットを繰り返してきた中でのひとつの帰結をこれから書こうと思います。


これまで、組織の活性化や組織変革、組織文化変革とったテーマを扱う際に、必ずといっていいほど組織開発というアプローチが取られてきました。私もこの領域に7年間ほど携わってきました。

戦略、業務改革、人材育成、評価制度、情報システムなどをトータルに俯瞰したアプローチが一般的です。これだけアプローチすれば組織は変わり、活性化するだろう。そんな風潮があったと思いますし、実際に営業である私自身もそう嘯いていた時期がありました。

前職では、年間支援実績が2000ほどある組織開発で言えば大手と言われる組織に所属していましたが、それでも組織が変わり目に見える成果を出せた実績がどれだけあるかと言われるとほぼ皆無だったと言わざるを得ません。

40年もの実績を誇り、テクノロジーも最先端をいっていたでしょう。それにもかかわらず組織開発を実現できなかったのはなぜか。

僕の帰結はアプローチを評価するということを怠ってきたからだと思います。

ありとあらゆる施策を講じても、それを評価してこなかったからです。人材育成も、業務改革も、組織変革PJTも、それに携わる人々を評価するところまで支援してこなかったからです。

最近の、組織開発コンサルティングでは人材育成、業務改革とコンサルタントフィーを多く取ることしか考えてきませんでした。「お客様がひとりで改革するためのノウハウを提供する!」ということを大命題に、しっかりと実績を出し評価することを避けてきたのがこれまでの支援でした。

やったらやりっぱなし。
ノウハウは提供したでしょ?

手間のかかる効果測定や評価には手を出してこなかったこれまでの取組みが、今になっても組織開発が日本に浸透をしない理由でしょう。

アメリカでは既にその欺瞞に気づいたコンサルタントたちが自らパフォーマンスコンサルティングと称して、1995年頃より成果の出る組織開発に取り組み始めてます。私自身、2006年新卒入社でしたが、パフォーマンスコンサルティングトいう言葉を聞いたことがありませんでした。

組織開発という武器を持っている僕らこそが、こういった欺瞞に目を向けていかなければいけません。正しいことをして、その対価を頂きたいものです。

それでは、またの思考の旅へ。

2012年7月6日金曜日

エンタープライズソーシャルラーニングの最も強いインパクトは?


先日以下の記事を読んだので紹介しておこう。


長い記事だけど、良記事だ。
7:2:1の法則。
組織内学習の7割は実際の仕事から。2割は上司からの薫陶。残りの1割は、研修のようなフォーマルラーニングだ。
日本のほとんどの企業は、人材をギリギリまで削減している状況で、7割の仕事からの学習を叩き込まれているはずだ。また、研修に費やされる予算もカットされている傾向が強い。あとは、マネジメントが人間的に優れているかで、従業員のロイヤリティも変わり組織内の学習力は変わってくる。

そして、企業が最も苦戦しているのが変化対応力の問題だ。

そんな中で、7割の仕事からの学習を徹底的に促進し、変化対応力を強化するのがソーシャルラーニングの最も強いメリットだと考えている。

現実の仕事の中で、困った時にすぐにソーシャルプラットフォームに悩みを書き込めば、その回答がかえってくる。要は、個人の仕事の問題解決のスピード向上がそのまま組織の問題解決能力の向上につながっていく。
それが、ソーシャルラーニングが促進されるべき1番の理由だと思っている。
それが効果的に推進されるためには、社内SNSの定着・組織文化の改革や社内SNSの運用方法の確立が欠かせない。また、ソーシャルラーニングは内省学習ではないため、企業内教育の一部を補完するものでしかない。

それでも、変化対応力を強化するソーシャルラーニングが重要なのは言うまでもない。

(記事:katsumata114

人生を決めているもの。住宅と街並みとぼくの視線から考える人生論。

  家づくりを検討しはじめて約2ヶ月。あれだけ回避していたローンのリスクを受け入れて、家を建てることに決めた。日本の一戸建ての寿命が30年のところ、90年もつ家を建てることを知ったのが大きなきっかけだった。90年もてば3歳の息子も死ぬまで住むことができるだろう。それならローンを組...