2013年10月7日月曜日

学習者との共創環境をつくる②〜同志として学ぶ組織・人事コンサルティング〜

前回は、吉田松陰先生の教育への同志としてのスタンス、プラハラードの価値共創という概念を紹介しながら、学習者視点での教育の必要性を考えてきました。今日は、おぼろげながらでもその形態はどのようなものなのか?に迫っていきたいと思います。











 





【学習者視点の研修とは?孤独な学習から協働・切磋琢磨の学習環境へ】
これまでは研修という形をとってコンサルタントが教壇に立って講義を行い、グループディスカッションをファシリテーションする、その場限りの教育機会の提供にとどまっていました。また、そこには学習者の視点はほとんど含まれておらず、コンサルタントの論理で研修が運ばれていました。そこで、小生がおぼろげながらに考えているのが、SNSを使った研修事前事後フォローです。

具体的には、

①FacebookやGoogle+、社内SNSに専用グループを作成する
SNSには3つのAnyがあると思っています。Anytime、Anywhere、Anythingです。いつでも、どこでも、如何なるトピックス・テーマでもいい、いつでもコミュニケーションが取れるというのは特徴です。これまでの、研修スタート時点で初めてコンサルタントに会い、どんな人なんだろうと思いながら研修が進むより学習に臨むスタンスはよりよいものになるのではないでしょうか。

②研修前にSNS上にてコンサルタントと学習者が今の現状を共有し合うセッションを設ける
ここで、今回の取り組みの目的を共有し、個々人が研修テーマの課題をコンサルタントと話し合う。いきなり、研修!と言われるより、「終着点」と「現在地」の確認をすることでマインドセットが促進されます。

③研修後、数ヶ月間SNS上でのディスカッションを行う
単発の研修が一番意味がありません。人は忘れる生き物ですし、研修で学習したことを実践してこそ研修の価値が高まります。コンサルタントは研修中に定めた個人ごとの目標の進捗がどうか投げかけ、悩みを聞き、支援を行います。

「学習」を妨げる大きな要因は「孤独である」ということだと思います。学習の継続性には強いセルフ・マネジメント力が必要になりますし、それができる積極的学習者は組織全体の2割だとされていますから、共通の目的をもったコミュニティは非常に重要だと思うのです。そして、主体性を育むコンサルタントからの(他律的な)アプローチと、学習者の反復的実践が果てには主体的に問題解決に挑み、学習する習慣を創ります。


【SNS上でのフォローのメリット】
では、上記のような取り組みでどのような効果があるでしょうか。

■メリット①:個人の忘却曲線を超えていく
エビングハウスの忘却曲線でもそうですが、一度学習したことは時間が経つにつれて再現しにくくなります。頭でわかっていないことを、どう行動に移していくのか。この問題を解決するためには、継続的な学習はやはり重要です。

■メリット②:学習者の動機づけ
学習者と共にソーシャル上でも定期的に繋がることで学習への動機は高まります。主体性の高い人は、個人でどんどんと学ぶものですが、我々がお付き合いをしているのは主体的に学べない方が大多数です。コミュニティマネジメントを通して、その取り組みに目的を与えて皆で問題解決をしていくという結束を強化することができます。

■メリット③:主体的学習風土の醸成
ソーシャルのパワーはなんといっても、リアルタイムに、どこでも、いつでも、コネクトし情報を共有し合うことです。コンサルタントからの他律的な働きかけとSNS活用の反復によって、ソーシャルラーニングを促進することができるでしょう。この風土が醸成できれば、学習が個々人の問題解決の助けになるのだと理解し、そのSNS上のコミュニティはなくてはならないものになるでしょう。参考図書としては『ソーシャル・ラーニング入門~ソーシャルメディアがもたらす人と組織の知識革命~』が参考になります。

■メリット④:研修効果測定の恒常化
これまでの研修は、学習者のアンケートや事務局の反応までは確認しても、研修後の行動変容まではチェックを行わず、具体的な目的を見失っていたのではないかと思っています。個々人の取り巻く環境は多様であり、学習の進捗状況もマチマチです。行動変容のための個別・具体的な支援が求められていると思います。特に、中小企業は。

つらつらと書いてきましたが、これはあくまでも小生の仮説に過ぎません。SNS上のグループ、コミュニティがそこまで活性化しない、という事態もありえます。コミュニティマネジメントも今後の勉強領域として照準を定めていきたいと思います。

いかがだったでしょうか。

最近、ちょいと寒いですが、頑張って参りましょうー!

それでは!

人生を決めているもの。住宅と街並みとぼくの視線から考える人生論。

  家づくりを検討しはじめて約2ヶ月。あれだけ回避していたローンのリスクを受け入れて、家を建てることに決めた。日本の一戸建ての寿命が30年のところ、90年もつ家を建てることを知ったのが大きなきっかけだった。90年もてば3歳の息子も死ぬまで住むことができるだろう。それならローンを組...