2013年4月29日月曜日

社員の学習への内発動機づけを高める方法

小生、中小企業を中心にお伺いして教育研修や人事コンサルの支援をしている訳なんですが、最近よく思うのが、学習意欲が低い状況をなんとか改善できないか、ということなんです。

学習コンテンツを安価に大量に用意しても、この学習意欲が低い方々に案内したところで学習がなかなか進まないという現実に直面しています。ちょっと前のEラーニングも、どこでも、何でも、いつでも学習できるというメリットがありながら、学習進捗という意味で非常に難しい戦いを強いられてきました。

この学習への動機づけの問題。

組織の2:6:2の法則と同じように、組織内の学習にも積極的学習者、消極的学習者、それ以外が存在します。上位2割の積極的学習者はほっといても自ら学習して、組織に貢献をしてくる人々です。教育コンサルとしてはこの中位6割の消極的学習者、いわゆる研修の機会を提供されたら、または上司から言われれば学習をするが、自発的に学習をしない方々をどのようにモチベートするか、ここがミソになってきます。

僕が思うに、この動機づけのポイントって、

「評価機会」

なんじゃないかって思うんですよ。

アメリカでは教育の成功報酬っていうことで、APPアカデミーというプログラマー養成学校が注目を浴びています。簡単に言うと、APPアカデミーでプログラミングを学習して、就業したら学費を頂戴します、っていうビジネスモデル。

教育という非常に成果が出にくい領域で成功報酬モデルをやっていけるのも、この「就業」という評価機会、受講生に明確な動機が存在するからこそだと言えます。

そういう意味では、社員に主体的に学習に励んでもらう「評価機会」を如何に創りだせるかが重要であるということになります。人事評価制度や評価者のスキル向上、表彰制度、最近ではゲーミフィケーションを用いたユニークな制度を用意している企業もありますね。

組織では、明確にこれをやったら成果がでる、という成果までの指標が不確実であるがために非常に難しい問題なのですが。この「評価機会」が重要なキーファクターになりそうですね。

それではまたの思考の旅へ。
katsumata114

2013年4月7日日曜日

企業内研修はどこまで必要か?

実際に、社会人になってからこれまで教育コンサル業界に身をうずめてきた小生がこんなことを言うのは非常にアイロニーに満ちており、ちょっと寂しくもありますが。

4月になり新入社員が入ってきた企業もたくさんあると思います。自分は営業マネジャーとしていろいろと育成や指導に当たるわけですが、そんなことをしているうちに気づいちゃったわけですね。これまで研修会社が提供してきた教育機会がどれだけ有効だったかということを。

例えば、営業強化でいくと、大体の教育コンサル会社が営業プロセスの研修かソリューション提案系の研修を持っています。もちろん、そのフレームワークを学習するということは無駄ではないですし、非常に有用なんですが。ここで思うことが1日~2日、あるいはそれ以上の日数をかけてプログラミングされているケースが非常に多いということです。

翻って、今の自分自身を振り返るとどうか。

正直に申し上げて、では僕がそういった教育にお金をかけてまで部下を参加させようと思うかどうか、というと効率的な投資ではないと考えます。営業プロセス、ソリューション提案のフレームワークの学習に3時間程度出してもいいと思いますが、それ以上のことを外部に委託して望むのはあまりいい投資だとは思いません。

むしろ、その3時間でフレームワークを学習してきてくれた後は、僕自身がフォローしてあげるほうが多分教育効果性は高いと思います。なぜなら、教育研修はセオリーしか教えてくれず、各企業が業績向上を行うためのポイントまでは教えることができません。

教育研修を売るということでいうと、お客様の業界状況、戦略、その遂行状況・GAP、GAPの明確化・テーマ化、テーマに基づいた研修企画ということで考えると、営業プロセスやソリューション提案のフレームワークが全てではないですね。セオリー以外の個社別の業績向上のポイントは、管理職がフォローしてあげる他ないんですね、これが。

教育コンサル会社はこれまで、研修をたくさん実施することが学習効果や業績向上を促すという欺瞞に浸ってきました。教育コンテンツは正直に申し上げるとどこも変わらないし、業績向上に寄与する割合など、名講師だろうとなんだろうとほとんど変わりないような感じがしています。

自分自身、こういった矛盾を解決するために新たな視点を持たないといけないなーと日々精進するのみですね。もちろん、既に考えているところではあるんですが。

もっともっと小生で煮詰めて今後発案をしていければいいなーと思っています。


2013年4月6日土曜日

教育コンサルのビジネスモデルの今後を考える

最近考えていることは、教育コンサルのビジネスモデルを如何に変えるか、ということです。

教育コンサルのほとんどのコストは営業やコンサルタントの人件費です。労働集約型であり、人が動かなければ料金は発生しません。コンサルタントが動くことでその対価として、研修やコンサルテーションを提供するということですね。

1995年くらいからアメリカでは「パフォーマンスコンサルティング」という概念が生まれ、人材育成が企業の成果に寄与する割合は2割程度ということがわかってきました。それによって、人材開発部門や教育コンサルティング会社は育成の効果性を最大化するために、事前準備や事後の現場でのフォロー促進など様々な支援を行ってきました。

いくら効果性の高い支援を!と意気込んだ所で、これまでのように人が動くことでサービスを提供することを行ってきました。

Eラーニングという手法もありますが、経験上この効果性も非常に難しい問題がつきまといます。教育研修は、「場」という非常に強制力の高い要因が学習を促進させることでそれなりの効果を導きだしますが、Eラーニングになるとその「場」の強制力は効かず、学習や本人の意欲によって学習する人・しない人と分かれてしまいます。

本来教育コンサル会社の役割は、上記のような組織内に2割程度存在すると言われている積極的学習者の支援ではなく、それ以外の消極的学習者を支援するべきなのですが、主体的な学習の「場」を創りだせないことには、Eラーニングもなかなか効果的な手法とは言えません。もちろん、事前準備や課題認識を行わせることによって、Eラーニングの前にある程度、主体的な学習態度を創造することは可能ですが、それにしても、なかなか効果的なアプローチは存在しないように思います。

そこで考えているのは研修の「場」とオンライン学習をブレンドさせた学習サービスです。オンラインで事前に学習したことを、「場」においてアウトプットさせるようなサービスはこれまでの一長一短をカバーする、ベターな手法であると感じます。

「場」において発揮させる必要性があるため、学習者もまったくオンライン講座を受けないということには行きません。そこで強制力が働きます。また、「場」は単なるアウトプットする場であるというと、聞こえは浅はかな感じがしてしまいますが、このアウトプットする前に事前課題としてレポートを書かせることで考えるプロセスを創造できますので、思考力も同時に鍛えることが出来ます。ここで重要なポイントはオンライン講座数が他社と比べて群を抜いているということ。このオンライン講座のプラットフォームにいけばありとあらゆる組織人に必要な講座が揃っているということが、ビジネスモデル的にも非常に重要なポイントになってくると思います。

本質的には、職場でこのような消極的学習者を主体的、能動的にする仕組みを発明することが重要にはなるわけですが、この競争社会においてはなかなかそういった仕組みをつくることは難しいと思います。

今後もこのテーマについては考え続けていきたいと思います。

それでは、またの思考の旅へ。

人生を決めているもの。住宅と街並みとぼくの視線から考える人生論。

  家づくりを検討しはじめて約2ヶ月。あれだけ回避していたローンのリスクを受け入れて、家を建てることに決めた。日本の一戸建ての寿命が30年のところ、90年もつ家を建てることを知ったのが大きなきっかけだった。90年もてば3歳の息子も死ぬまで住むことができるだろう。それならローンを組...