2013年9月26日木曜日

主体性が引き起こす格差社会~ヒト・モノ・カネ・情報から考える個人のキャリア~

吉田松陰の人生を勉強しだしてから、「立志」や「主体性を伴う実学」といったことが現代の重要なキーワードになりつつあると思います。今日は、ヒト・モノ・カネ・情報通から個人のキャリアを構築する上で、如何に主体性が大切なのか?を考えてみたいと思います。















【ヒト・モノ・カネ・情報はかつてないほどに手に入りやすくなった】
経営資源として考えられてきたヒト・モノ・カネ・情報ですが、この全てが個人の手にも渡ろうとしています。

まず、ヒトですが、こちらはソーシャルメディアの台頭によって格段に繋がりやすくなりました。私も気づけばFacebook上の友達は289人、Twitterでフォロワーが500弱います。Twitterで「法律に詳しい人はいないだろうか」とつぶやけば、私の友人がFacebookでメッセージをくれました。自分自身の社会関係資本の中には、才能がたくさんある訳です。こうして、頼りたくなったら頼れるという意味で人は格段に繋がりました。

モノについては、何を捉えるかにもよりますがモノは溢れています。100均に行けば、色々なものが手に入りますし、パソコンひとつで出来ることは今では沢山あります。映像編集、作曲など様々です。

カネも同様です。ソーシャルファンディングという概念があります。ソーシャルに資金を調達することです。少人数のプロジェクトでも資金調達ができる「READYFOR?」というサービスが有名ですね。カネも個人が手に入れることができる時代に入りつつあります。

情報はもう書く必要もないことですね。先のソーシャルメディアやBlog、ニュースサイトを通して情報は溢れています。先日Blogで書いたMOOCも同じことです。

【本当の格差社会の到来】
上記の時代背景を通して考えると、その資源を活用する気があるかどうか、そのために行動を起こすことができるかどうかで個人資本に大きな格差が生まれるのではないかと思います。

特に、情報の格差は2極化の一途を辿ると考えています。残念ながらサービスが終了してしまったGoogleリーダーですが、これはあるテーマを決めてその情報をキャッチアップするのに最適です。僕であれば、「教育」、「能力開発」、「イノベーション」などで情報収集をしています。更に、ソーシャルメディア上のインタレストグラフも重要です。特に、Twitterはインタレストグラフでフォロー、フォロワーが決まると言われていますが、ここでも情報は山のように入ってきます。

教育サービスという観点でいくと、MOOCsもそのひとつの現れです。

「興味関心が情報の限界を生み、情報の限界が行動の限界を生み、行動の限界が成果の限界を生む」とはよく言われることですが、そういう意味ではテクノロジーに一定の理解がなければ、おそらく今後取り残されていくことになると思います。

【だから大切な立志と主体性】
さあ、ここで吉田松陰先生の登場です(笑)。いやいや、ネタにしてはいけませんね。いやいやいや、これは小生、本当に考えていることなんですよ。個人の大きなチャンスと捉えて、自分の志を確立して行動して、資源を有効活用できるかどうか。これで何万倍の差がつくと思います。

以前、組織・人事コンサルティング会社が変えられないものとして「考え方」を取り上げました。そうなんです。このテーマが非常に難しい問題なのです。でも、立志と実践が実現できればあとは木の枝葉であって、後からついてくるようなもんだと思っているのですよ、本当に。

個人のキャリアを考える上で、これほどまでに武器やバックアップ体制が整った時代はありません。これからのキャリアの根幹は内省や主体性の発揮のための立志ということになっていくのではないかと考えています。

そういう意味で、今後の小生の課題は主体性発揮のポイントになりそうです。

ではでは、引き続き頑張っていきますっ!

2013年9月25日水曜日

教育の本質への旅② 〜吉田松陰から学ぶ〜

吉田松陰、2日目でございます。 
吉田松陰は有名ですし、偉大な教育者ということは知っていたのですが、まじまじと勉強をしてみるとその所以がわかります。
立志。
小生も改めて自身の生き方を通じて教育というものに関わっていきたいと思っています。








【個性重視の教育指導】
松陰は門下生の個性を大事に教育に関わったとされています。現代の画一的な授業ももちろんあったかとは思いますが、松陰は個別に対峙し長所を伸ばしていったと言われています。
人の短所は責めず、より短所を打ち消す長所を伸ばすということは非常に重要です。現代では、メンタルヘルスが特にメディアに取り上げられています。ここには組織の育成方針やその人のストレス耐性など様々な要因が絡んでいると思いますが、まだまだ短所を叱り組織人に仕立て上げるという、没個性尊重の育成方法がまかり通っていると思います。今の若者は金太郎飴人材にされたところで、生き残ってはいけないことは既に肌で気づいているのです。
また、今の世の中を引っ張っていっているのは、ご存知の通りスティーブ・ジョブズをはじめとしたアメリカの経営者たちです。彼らは、自分の個性を強みとして世界を引っ張る事業を育てることで脚光を浴び、名経営者、あるいはカリスマとして崇められています。
そういう意味では、組織の進化は遅く、再度松陰のこの教育指導に返り咲かないといけないと思います。

【人間教育重視】
松蔭は孟子の考え方を非常に好みました。『講孟余話』という書籍を萩の獄中で書き、それを囚人に聞かせ教育をしたと言われています。孟子の思想は、「仁義」や性善説をとった学者で有名です。『講孟余話』では孟子の考え方を下敷きに吉田松陰が当時の日本に当てはめて、松蔭なりの考え方を説いたものです。
志を持っていることが、物事のはじまりだと説いた松蔭ですが、その志は孟子の仁義や君臣への忠誠などが前提に立っている考え方でした。物事の道理をつらなく事が、最終的な自分自身の利に繋がるという考え方です。
皆様も感じた事があるでしょう、組織の論理というものを。それは、株主や利益至上主義のおおよそ仁義とは程遠い組織運営がまかり通っていることを意味します。資本主義のイデオロギーの下では、組織運営がそうなるのも致し方ないのかもしれません。
ただ、やはり昨今のブラック企業の問題などをみていると心が痛まざるを得ません。小生はこうした状況を何とか打破したいと思います。

【まとめ】
組織・人事コンサルティング業界においても、如何に競争力の高い組織を作るか、あるいは事業収益をあげられる人材を育成するか、といったキーワードがよく出てきます。これは、やはり資本主義というイデオロギーに呑み込まれている、おおよそ仁義とはかけ離れたワードだと思います。
やはり、アメリカを中心とした功利主義文明が世界を覆っていく中で、今一度、我々の思考を疑ってみることは重要だと思います。如何に世の中に貢献できる組織を作るか、如何に日本国民を幸せにできる人材をつくっていくか、こういった声が聞こえるのが理想の姿なのではないでしょうか。
「競争力の高い組織」、「事業収益をあげられる人材」いずれのキーワードも、組織側の論理であり消費者である個人に焦点は置かれていません。
だからこそ、組織に組み込まれる事によって個人の主体性はどんどんと衰退し、果てにはメンタルヘルスという事態を招くのではないかと思います。インターネット、ソーシャルメディアが発達した今、情報は溢れています。そして、この主体の発揮云々では相当な格差が生まれると思います。
我々が個人としてどのように生きていくのか、あるいは生きていくために組織とはどうあるべきなのか、こういったことを考え続けていきたいと思います。

いかがだったでしょうか。
吉田松陰の魂が幾ばくか伝わり、皆様の心に伝われば幸甚です。

ではでは、またーー!

2013年9月17日火曜日

教育の本質への旅① 〜吉田松陰から学ぶ〜

縁があって18歳に教育というものに魅了をして以来、もう10年あまりが経ちました。英語教育や社員教育、組織開発コンサルなど教育〜コンサルティングという領域で、何かを教えるという仕事に携わっている小生ですが、自分自身の教育観を見つめるということをしてこなかったように思います。

今一度、自分の足下を見つめ直すということで、たどり着いたのが吉田松陰です。尊王攘夷を思想として掲げ、明治維新の精神的指導者となった方です。松下村塾では、久坂玄瑞、高杉晋作、伊藤博文を輩出した伝説の教育者です。

これだけの人材を輩出し、時代を変える先導者になった松蔭ですが、その人生は30で幕を閉じています。また、松下村塾で教えていたのは1年から1年半と言われています。松蔭は、塾生に何を教えたのでしょうか。

ここから教育の本質を2回に分けて考えてみたいと思います。
















【教学の精神①〜立志〜】
志を立てて以て萬事の源と為す
松蔭は従弟の元服の際に『士規七則(しきひちそく)』を作り送っています。武士としての7つの則を教えている書物だそうです。上記は、最後の要約文で、学問をなすには、如何なる目的で如何なる学問を為すのか、その始めにあたってしっかり決心するべきと考えています。また、下記にありますように、誠に根ざした志を持ってすれば、動かせない物事はないと松蔭は信じていました。それが次項で紹介する行動力にも繋がっていきます。
至誠にして動かざる者は未だこれ有らざるなり
学は之を学ぶのに志しが純粋でその道を極めることが大事であり、名声や地位を得る事でないと塾生にに強く説いていたようです。

教師やコンサルタントというのは一般の職業と少し違う側面がありまして、先方から「先生、先生、ありがとうございます」と言ってもらえることが普通です。先方が知らないことを教えてもらう立場だからでしょう、それに甘んじようと思えばどれだけでも甘えれる立場です。

教育に携わる人は、相手から感謝されることが多いです。ここに甘んじてはいけませんね。単なるマスターベーションをしているコンサルタントも多いと小生は思います。

【教学の精神②〜実践を伴う学問〜】
松蔭は投獄されてしまった1年で、505冊の書籍を読破されるほどの大変な読書家でありました。また、それを塾生にも推奨し、松下村塾でもたくさんの書籍を読んだようです。ただし、読書量だけを大切にしていた訳ではありません。

実践に結びついた学問でなければ意味がないと強く説いていたようです。松蔭は単なる学者になることを嫌いました。江戸遊学の際には、名声や金銭のためだけに勉強している学者が多く落胆したということも史伝 吉田松陰 「やむにやまれぬ大和魂」を貫いた29年の生涯』に記されています。また、若き日の高杉晋作にもその言説が評論家的であるとして厳しく接したことがあったとも言われているみたいです。

その通り、松蔭は自身の志に基づいた行動家で、安政の大獄で命を落とす前も何度も投獄されています。

【現代の教育にまさに欠けていること】
今の学生の多くは大企業への就職にて目的なき安定を求めています。アフィリエイトという実学なき安易な方法でお金を稼ぐ人たちが出現してきています。テクノロジーの進化によって、「できるようになること」に翻弄されすぎている人たちが多いように思います。

価値観が多様化している現代において、『ワーク・シフト』にもあるようにキャリアコーチングのニーズは高まっていくでしょう。そして、同時にこのような目的なき人生を送り、人生の意味を感じる事のできない人が増えていくでしょう。

こうした時代に、微力ながら小生も何か貢献できればと思うのです。


いかがだったでしょうか。
明日も、吉田松陰を通じて考えていきたいと思います。

それではー!

2013年9月13日金曜日

組織・人事コンサルが変えれるものそうでないもの(2)〜変えれないもの編〜

昨日は、『組織・人事コンサルが変えれるものそうでないもの(1)〜変えれるもの編〜』をお送りしましたが、今日は〜変えられないもの編〜と題して考えていきたいと思います。

小生は組織のマネジメントに従事していることもあり、たくさんの部下をみてきました。結論、先に言ってしまいますが、唯一変えられないもの、それは個人に内在する「考え方」です。心理学用語では、「自己概念」とも言うのですが、ここでは詳細は割愛します。


【考え方は自律的にしか変わらない】
他律的な働きかけで唯一変わらないもの、それは考え方だと考えています。

考え方はいわゆる、価値観や志向性などとも言われますが、こればかりは外圧だけでは変わりにくいです。そもそもが個人に内在するものですし、長い時間をかけて築き上げられてきたものでもありますから、余程のショックがない限りは変えるのは難しいでしょう。

コンサル会社が持つありとあらゆるサービスを導入する、あるいは上司が手を替え品を替え対応しても行動変容が見られない場合は、この考え方に問題があるケースがほとんどです。コンサル会社(あるいはカウンセラー)ができることは、「あなたの考え方のここに問題がある」と、気づかせ、考え方を変える方法を教えてあげることだけです。

【考え方を変えていく方法】
行動はどこからくるのか?

それは、価値観→感情を通して行動が生まれると言われています。考え方が組織に馴染まない、あるいは社会に馴染まない、そういった結構ビジネスパーソンとしてクリティカルな課題を抱えている人は、意外なようでたくさんいます。

考え方を変えていくための解決方法は、ロジカルシンキングの原因分析に似ています。自分が指摘された、あるいは怒られた行動の背景にはどのような感情が存在するのか、そういった感情が湧き出る自分の考え方はなぜ作られたのか?と自分自身に投げかけていくことです。

小生の経験上、こういった問題を抱える人たちは過去のトラウマを抱えています。

【考え方を変えるには想像を絶する痛みを伴う】
ただし、この考え方を変えるということは痛みを伴います。それもそのはず、これまでの当然のことのようにその考え方で生きてきたのにも関わらず、別の考え方を持てというのですから。ある意味、自己否定とも言えます。また、大きく考え方に歪みがでてしまっている人は、これまでの人生そのものを否定せざるを得ないこともあります。

そういう意味では、本当に自分との戦いです。

何も小生や上司の考え方が正解だということを意図するものではありません。考え方はいろいろとあって当然だし、そのような多様性を活かせる組織を作っていきたいと思っています。ただし、組織や社会になじまない考え方は矯正していかなければいけません。

こういったお悩みをお持ちの方がいればぜひ相談に乗らせて頂ければと思います。
どれほど考え方が歪曲しても諦めません。これが小生が教育というものにかけるスタンスです。

それではー。

2013年9月12日木曜日

組織・人事コンサルが変えれるものそうでないもの(1)〜変えれるもの編〜

今日は人材育成に携わっていて、つくづく感じること。

他律的な働きかけによって変わるものがある反面、自律的にしか変わらないものがあると思います。
ほとんどの問題は他律的な働きかけによってある程度の問題解決が可能だと思っているのですが。

組織・人事コンサルが介入することで変わるもの、変わらないものとは一体どのようなものがあるのでしょうか。








                                             




【組織・人事コンサルによって変わるもの】
ビシネスパーソンの能力開発や行動変容を考える時、外からの働きかけによって変わるものは実はたくさんあると考えています。

①個人の視点
個人の視点で言えば、知識や技能です。知識はわかりやすいですね?あるテーマについて理解できている情報ですね。それでは、技能とは何なのでしょうか。技能は、ゴルフに例えるとわかりやすいので説明しますね。ゴルフのセオリー、クラブの握り方やスイングの仕方を指南している雑誌や書籍はたくさんありますし、石川遼くんなどをテレビで観ていれば何となくでも頭では理解することができます。では、実際にクラブのスイングの仕方を知っていれば、高いスコアは叩き出せるでしょうか?答えはNoですね。

教育研修を実施する際は、必ずフォロー研修や使いこなせるようになるための反復練習をオススメしています。忘却曲線という言葉がある通り、一日研修を実施したことが全て頭に入り、かつ実践ができるという人はごく稀であるという厳しい見方が、実は教育研修企画には必要です。

②環境の視点
それ以外の環境の視点で言えば、戦略、評価制度や上司、組織文化、業務・タスクなどです。上記のようなテーマは、皆さんもご存知のとおり、様々なコンサルティング会社が手掛けていますし、小生もその1人です。経験上、アプローチ方法も多種多様ですし、こういった外圧によって個人の能力開発や行動変容が促されるケースはたくさんあります。

いかがだったでしょうか?

胡散臭いとよく言われるコンサル業界でも多くのことを変革できる、その変革が組織へのインパクトを与えるだろうということは理解頂けたのではないでしょうか?

明日は、組織・人事コンサルタントでは変えられない、と小生は思っている、唯一のものを紹介したいと思います。

それではー!!

2013年9月11日水曜日

強い人事をつくるために持つべき4つの視点

外の空気もだいぶ秋っぽくなってきました。だいぶ外回りも楽になってきましたねー。

少し涼しくなってきたからでしょうか、最近、なぜ小生のような仕事が世の中に求めらているのか、そんなことを考えている、今日この頃です。今日は、小生のような仕事が求められる理由から、人事のあるべき姿に近づくための4つの視点を考えてみました。


【コストセンターとしてのこれまでの人事】
人事の仕事は「採用」、「教育」、健康保険・厚生年金・労災保険・雇用保険など各種「保険加入手続き」、さらに近年、社会的に福利厚生の充実が求められる傾向が強く、休暇制度・家賃補助などの各種補助制度の整備や、社内行事の企画運営、オフィス環境の再設計など、コストセンターとしての仕事を中心としてきました。

その中でも、最初の「採用」や「教育」は花形の仕事ですが、それでも直接的にプロフィットを生み出すための仕事ではありませんでした。

小生はもっぱら「教育」や「人事評価制度」の専門で、多くの人事責任者と話をしてきました。その経験から言えることとして、人事マンは得てして「戦略性」や「経営という視点」が欠けているのではないかと思います。

高度経済成長時代を通した人事調整というもっぱら受け身的な体質から、今後は複雑性の高いグローバル経済を生き抜くための経営的・戦略的視点をもった自発的な人事への変革を求められているように思います。

【経営視点をもった人事を創造するために必要な4つの視点】
こうした時代環境のなかで、経営視点を持った人事をいかに創造したらいいのでしょうか。小生は4つの視点を持つことが肝要であると考えています。
  1. 事業視点
  2. パフォーマンス視点
  3. 環境視点
  4. 教育視点
の4つです。

①事業視点
まずはじめに持つべき視点は事業です。我社がどこへ向かっていて、それを達成するために乗り越えるべき課題は何か?ここを明確にする必要性があります。小生が属する組織・人事コンサルティング業界でも10年以上前になると、この視点がすっぽり抜けており、如何に素晴らしい教育を施すのかに終始していたようです。

これからは、変革を遂げた組織・人事コンサルティング業界のように、人事も事業視点にたった施策を行っていく必要性があると思います。

②パフォーマンス視点
①で明らかにした事業課題を解決するためにどのような「行動」が取られるべきか、またはその「行動」を促進するための人事施策は何か、という視点です。

最近では、大手企業を中心にコンピテンシー評価と呼ばれる「具体的な行動に対する評価」の仕組みを採用している企業も出てきていますが、とりわけ中小企業ではこの視点が欠けていると思います。

パフォーマンスとは、厳密の定義としては「成果が出るだろうと推測できる行動」というのが一般的です。そりゃあそうですよね。成果の出ない行動を求める社長はこの世に一人もいませんね。(汗)

③環境視点
上記のパフォーマンスが取れる環境が整っているか、というのが第3の視点です。この環境は、人事評価制度や直属上司、会社の立地など、様々な視点を含んでいます。

会社が求められるパフォーマンスが出来た場合、評価される人事評価制度になっているか。あるいは、上司はそのようなパフォーマンスを求め、褒めているか。そのパフォーマンスを実行できる物理的環境、例えば、営業ツールや会社の立地か、などがこの環境視点に当てはまります。

④教育視点
上記のパフォーマンスを行う上で、社員の能力は十分か?という視点です。これまでの人事がせっせと研修を企画していたのは、この問題を解決するためでした。これまでの説明を読んでいただいた方はおわかりかもしれませんが、そうなんです、教育研修にたどり着く前までに把握するべきことがたくさんあります。

●●ができていないから、教育研修というのは本当に経営や事業の目的にかなっているでしょうか。そのできていないことは、経営や事業に大きなネガティブインパクトを与えるでしょうか?こういったことを考えてから、教育研修のプランをたてていきたいものです。

①~④は人事の方々が確認をしていく順番も表しています。


いかがだったでしょうか。
今日は、経営に資する人事が持つべき視点ということで4つ紹介をしました。
皆様にお役立てできれば幸いです。


それでは!


2013年9月10日火曜日

教育研修は学ぶ場所ではない??

皆さんは教育研修で本当に学べた!と思えることは今まであるでしょうか?

創造性開発の研修会などでは、よく凝り固まった頭の体操を行うという意味で、「箍を外しましょう」というようなことをメッセージさせていただくことがあります。「箍」とは「たが」と読み、桶の周りに巻かれている金属板のことを言います。

最近思うのは、創造性開発の研修ではなく一般的なテーマの研修さえも、というか教育研修そのものが「箍外し」なのではないか、と思うようになりました。そもそも、その場で学習できることがどれだけあるのかという問題提起です。














【研修の前にやるべきことは出来ているか】
小生が普段お客様とお話をしている中で、その問題ってコンサルに依頼する必要性ってあるんだろうか?そんなことを思うケースが結構あります。会社内でやるのに時間がかかるから、「業者」を使ってやろうというようなパターンですね。社内でも出来るのにも関わらず、、、です。(汗)たいてい、こういった研修は評判が悪い。(笑)

社内でやれるのにもかかわらず外注するケースにおいては、現実にその課題は現場に横たわっていたとしても、何とか研修で解決しよう、解決できるはずだ!などという一種のユートピアが存在していると思います。

研修は魔法の杖ではありません。(笑)

ここに今回このBlogで取り上げるテーマの問題があると思います。

【やりきって、まだ解決できない問題に効く教育研修】
PDCA。聞き慣れた言葉ですが、Wikipediaには「事業活動における生産管理品質管理などの管理業務を円滑に進める手法の一つ」と書かれておりますが、この一連のサイクルを回しきってもまだ解決できない課題が存在する時に、教育研修が役立つのではないかと思います。

小生も、PDCAという聞き慣れた言葉の徹底が非常に難しいことを身に沁みて感じています。簡単なようで愚直に実効できない。けれども、外部にお金を払ってまでやらせることでもない。こういったことを必死に組織でサイクルを回しきった後に存在する課題を解決するために箍外しのための教育研修があるのではないかと思うのです。

なぜなら、課題が解決されない理由は、これまでの仮説(Plan)自体が間違っているからです。こうなると、新しい知識や内省を繰り返して、マーケットや自社製品に対する「認識」そのものを変える必要性があるということを意味するからです。

【愚直なまでの遂行力と箍外しのための機会が鍵】
会社でやるべきことはそんなに難しいことではないですよね?誰もが自分が社会で活躍できるのだろうか?と不安を抱えて、新社会人になって仕事をする訳ですが、もう本当に頭の中が??となって、慌てふためくことはほとんどなかったはずです。

やるべきことをやる、それでもダメだったら前提をも疑う(箍外し)、この新たなサイクル回すことで、OJTとOff-JTを混ぜ合わせた能力開発ができるのではないでしょうか?

いかがでしたか?

教育研修そのものを否定することは小生自身非常に勇気がいりましたが、本質を見つめれば本当に学習という側面での効果は少ないのかもしれません。

小生も日々箍外し、これまでの固定観念に捕われず、日々、生まれ変わっていきたいと思います。

それでは!

2013年9月3日火曜日

社内SNSが活きるオープンな組織風土の醸成方法〜組織アプローチ〜

前回は、社内SNSが活きるオープンな組織風土の醸成方法〜個人アプローチ〜にて、個人のセルフ・エフィカシーを向上させることが、社内SNSの効果を高めるオープンな組織文化醸成に必要だという話をさせて頂きました。

皆様は、日々働かれている中で、まるで社長が求めていることが答えかのように行動し、あるいは、社長が持っている答えを当てにいく行動をする、、、なんてことが起こっていたりしていませんか?トップのリーダーシップが強烈な場合、こういったことが起きがちなんですね。。。(トホホ)

まさに、リーダーが発する影響というのはもろに組織文化に影響をします。従業員は、基本的にはこうした既に固められた組織文化や規範の中で振る舞うように間接的に「強制」されます。

さぁ、この強固な組織文化を如何に柔軟にしていくのか、より社内SNSの活用のためにも見ていきましょう。















【そもそも組織文化ってなぁに】
組織文化ってなんとなくわかるようでわからない、抽象的な概念ですよね。まずは、これがどういったものかを見てみましょう。アメリカの心理学者であるエドガー・シャインの『組織文化とリーダーシップ』より引用します。


「ある特定の集団が外部への適応や内部統合の問題に対処する際に学習した、集団自身によって創られ、発見され、また発展させられた基本的仮定のパターンであり、それはよく機能して有効と認められ、したがって新しい成員にそうした問題に関しての知覚、指向、感覚の正しい方法として教えこまれるもの。」

ふむ。よ〜わからないですよね。(笑)
解説してしまうと、「ある会社が設立されて、年月を経るにつれて組織や組織の構成員自身が作り上げた成功パターンで、 後代にも継承されているもの」といったようなことです。

自分のこととして、考えてみるとわかりやすいです。小生は教育を専門としてずっと仕事してきていますが、やはり経験があるが故にお客様のところにお伺いしても喜んでいただくことが多いです。この成功体験です。この成功体験があるからますます教育が好きになる。人間誰しも、負けるとわかっている勝負に挑みたくないはずですね(笑)

勝ちパターンに組織も個人も引きずられるのです。

【クローズな組織文化の例】
では、ここでオープンな組織文化を作っていくために、逆説的ながらクローズな組織文化をもった組織の事例を見てみましょう。
  • 社長が白といったら、黒くても白くなる
  • 上司に提案・意見をすることがなんだかしにくい
  • 社長の発言によって組織が揺さぶられ、それによってミドルマネジャーが右往左往してしまっている
前回のBlogを思い出してください。セルフ・エフィカシーは向上するでしょうか?答えは明快ですね。絶対にしません。また、上記のような組織では「学習性無力感」ではないですが、そもそも意見をあげる、自分の思っていることを率直に言うことなど、ほとんどしなくなるでしょう。

【まずは組織のリーダーから変わる】
ミシガン大学のキム・キャメロン教授はまず「リーダーの日々の行動を変えることが組織文化変革の第一歩」と主張しています。変化の激しいこの世の中で、社長の言うことを聞いていれば一生安泰!なんていう時代はとうに過ぎ去りました。また、社長自身が唯一の真理であるかのような振る舞いは、視野狭窄であると言わざるを得ないでしょう。

今求められている組織文化とは何か?求められている文化に貢献する行動は何か?自分は何から変革しなければいけないのか?という3つの質問に経営者から管理職までが一丸になって考えるセッションが必要だと思います。

いかがだったでしょうか。

如何にクローズな組織文化における社内SNS導入が成功しないということが、少しでもイメージができたなら嬉しいです。

では、またー。

2013年9月2日月曜日

社内SNSが活きるオープンな組織風土の醸成方法〜個人アプローチ〜

前回のBlogで、社内SNSを導入する前提としてオープンな組織文化が必要ではないか?という問題提起をさせて頂きました。では、オープンな組織文化ってどうやって創造するんだよ??というような率直な疑問が浮かんできますよね?

これは、非常に難しい問題ですよね(汗)

そもそも組織文化の変革というのはもうそれは尋常ではない努力が必要になります。これはお師匠から教わったことですが、社長が組織文化変革のために行った発信は50回メッセージして「ふーん」、100回メッセージして「また言っているわ〜」、150回で「そろそろやらないとまずくね?」、200回で「よし、やろう!」、、、そんなレベルだそうです(笑)

社長の立場からしたらマジギレもんですね(笑)
前置きが長くなりましたが、そろそろ考えていきましょう(笑)


















【オープンでいることに対する「恐れ」】
オープンに自分自身を語るということは、「こいつ頭悪いな?」とか、「お前の意見なんて聞いていない」とか、「その考え方、俺は嫌いだな」とか、ネガティブに考えてしまうことがあれば、「私の意見は優れているから発信する」、「この組織には自分の意見を必要としている」、などポジティブに考えることも出来ます。

組織は2:6:2に分かれるというよく言われますが、ピラミッド型の組織というのは基本的に管理する側とされる側という序列をつくらなければ運営ができない形態をとっています。または、組織には評価というものがつきものなので、組織が求める行動様式を取らなければ評価が低くなってしまうという恐れもありますね。そうなると、必然的に上記のようにネガティブな思考で、オープンに語ることそのものに「恐れ」を感じてしまう、勇気がいるといったことが組織の中で蔓延しているのではないかと思います。

【従業員のセルフ・エフィカシーを向上する】
ここでポイントになるのが、個人のセルフ・エフィカシーを向上させるということです。セルフ・エフィカシーというのは、自己効力感と呼ばれ、簡単に言うと個人が組織内で「自信を持って」働けている状態であります。学問的には、セルフ・エスティームという概念もありますが、ここでは割愛します。

では、この「自信を持って」というのはどのような状態でしょうか??

小生は、

①自分が有能だと思える
②自分が組織にとって貴重な存在だと感じている
③仲間から好かれていると感じている

この3つの要素が重要だと考えます。これが欠如すると、人間、自分らしくオープンに発言することは難しくなっていきます。上記三つの要素はちょっとしたことで充たされ、ちょっとしたことで崩壊します。

部下を持つ方々には上記を注意をしていただきながら、日々関わって頂ければと思います。接し方は単純ですが、これがなかなか出来ません。平気で「そんなこともわからんのか?(=無能な奴め)」、「お前がいなくても組織は回る(=キミは重要ではない)」、「お前のそういう考えが大嫌いだ!(=要はキミのこと嫌い)」とかって怒鳴ってたりしませんか??

逆に、このセルフ・エフィカシーの高い従業員が増えれば増えるほど、建設的、主体的、オープンな問題解決能力の高い組織が生まれることを意味しています。

いかがでしたか?

今回は個人という観点から、オープンな組織文化を醸成するためのコツを紹介させて頂きました。

明日は組織視点からこの問題を考えていきましょう!

ではー!



人生を決めているもの。住宅と街並みとぼくの視線から考える人生論。

  家づくりを検討しはじめて約2ヶ月。あれだけ回避していたローンのリスクを受け入れて、家を建てることに決めた。日本の一戸建ての寿命が30年のところ、90年もつ家を建てることを知ったのが大きなきっかけだった。90年もてば3歳の息子も死ぬまで住むことができるだろう。それならローンを組...