今一度、自分の足下を見つめ直すということで、たどり着いたのが吉田松陰です。尊王攘夷を思想として掲げ、明治維新の精神的指導者となった方です。松下村塾では、久坂玄瑞、高杉晋作、伊藤博文を輩出した伝説の教育者です。
これだけの人材を輩出し、時代を変える先導者になった松蔭ですが、その人生は30で幕を閉じています。また、松下村塾で教えていたのは1年から1年半と言われています。松蔭は、塾生に何を教えたのでしょうか。
ここから教育の本質を2回に分けて考えてみたいと思います。
【教学の精神①〜立志〜】
志を立てて以て萬事の源と為す松蔭は従弟の元服の際に『士規七則(しきひちそく)』を作り送っています。武士としての7つの則を教えている書物だそうです。上記は、最後の要約文で、学問をなすには、如何なる目的で如何なる学問を為すのか、その始めにあたってしっかり決心するべきと考えています。また、下記にありますように、誠に根ざした志を持ってすれば、動かせない物事はないと松蔭は信じていました。それが次項で紹介する行動力にも繋がっていきます。
至誠にして動かざる者は未だこれ有らざるなり学は之を学ぶのに志しが純粋でその道を極めることが大事であり、名声や地位を得る事でないと塾生にに強く説いていたようです。
教師やコンサルタントというのは一般の職業と少し違う側面がありまして、先方から「先生、先生、ありがとうございます」と言ってもらえることが普通です。先方が知らないことを教えてもらう立場だからでしょう、それに甘んじようと思えばどれだけでも甘えれる立場です。
教育に携わる人は、相手から感謝されることが多いです。ここに甘んじてはいけませんね。単なるマスターベーションをしているコンサルタントも多いと小生は思います。
【教学の精神②〜実践を伴う学問〜】
松蔭は投獄されてしまった1年で、505冊の書籍を読破されるほどの大変な読書家でありました。また、それを塾生にも推奨し、松下村塾でもたくさんの書籍を読んだようです。ただし、読書量だけを大切にしていた訳ではありません。
実践に結びついた学問でなければ意味がないと強く説いていたようです。松蔭は単なる学者になることを嫌いました。江戸遊学の際には、名声や金銭のためだけに勉強している学者が多く落胆したということも『史伝 吉田松陰 「やむにやまれぬ大和魂」を貫いた29年の生涯』に記されています。また、若き日の高杉晋作にもその言説が評論家的であるとして厳しく接したことがあったとも言われているみたいです。
その通り、松蔭は自身の志に基づいた行動家で、安政の大獄で命を落とす前も何度も投獄されています。
【現代の教育にまさに欠けていること】
今の学生の多くは大企業への就職にて目的なき安定を求めています。アフィリエイトという実学なき安易な方法でお金を稼ぐ人たちが出現してきています。テクノロジーの進化によって、「できるようになること」に翻弄されすぎている人たちが多いように思います。
価値観が多様化している現代において、『ワーク・シフト』にもあるようにキャリアコーチングのニーズは高まっていくでしょう。そして、同時にこのような目的なき人生を送り、人生の意味を感じる事のできない人が増えていくでしょう。
こうした時代に、微力ながら小生も何か貢献できればと思うのです。
いかがだったでしょうか。
明日も、吉田松陰を通じて考えていきたいと思います。
それではー!