2013年9月25日水曜日

教育の本質への旅② 〜吉田松陰から学ぶ〜

吉田松陰、2日目でございます。 
吉田松陰は有名ですし、偉大な教育者ということは知っていたのですが、まじまじと勉強をしてみるとその所以がわかります。
立志。
小生も改めて自身の生き方を通じて教育というものに関わっていきたいと思っています。








【個性重視の教育指導】
松陰は門下生の個性を大事に教育に関わったとされています。現代の画一的な授業ももちろんあったかとは思いますが、松陰は個別に対峙し長所を伸ばしていったと言われています。
人の短所は責めず、より短所を打ち消す長所を伸ばすということは非常に重要です。現代では、メンタルヘルスが特にメディアに取り上げられています。ここには組織の育成方針やその人のストレス耐性など様々な要因が絡んでいると思いますが、まだまだ短所を叱り組織人に仕立て上げるという、没個性尊重の育成方法がまかり通っていると思います。今の若者は金太郎飴人材にされたところで、生き残ってはいけないことは既に肌で気づいているのです。
また、今の世の中を引っ張っていっているのは、ご存知の通りスティーブ・ジョブズをはじめとしたアメリカの経営者たちです。彼らは、自分の個性を強みとして世界を引っ張る事業を育てることで脚光を浴び、名経営者、あるいはカリスマとして崇められています。
そういう意味では、組織の進化は遅く、再度松陰のこの教育指導に返り咲かないといけないと思います。

【人間教育重視】
松蔭は孟子の考え方を非常に好みました。『講孟余話』という書籍を萩の獄中で書き、それを囚人に聞かせ教育をしたと言われています。孟子の思想は、「仁義」や性善説をとった学者で有名です。『講孟余話』では孟子の考え方を下敷きに吉田松陰が当時の日本に当てはめて、松蔭なりの考え方を説いたものです。
志を持っていることが、物事のはじまりだと説いた松蔭ですが、その志は孟子の仁義や君臣への忠誠などが前提に立っている考え方でした。物事の道理をつらなく事が、最終的な自分自身の利に繋がるという考え方です。
皆様も感じた事があるでしょう、組織の論理というものを。それは、株主や利益至上主義のおおよそ仁義とは程遠い組織運営がまかり通っていることを意味します。資本主義のイデオロギーの下では、組織運営がそうなるのも致し方ないのかもしれません。
ただ、やはり昨今のブラック企業の問題などをみていると心が痛まざるを得ません。小生はこうした状況を何とか打破したいと思います。

【まとめ】
組織・人事コンサルティング業界においても、如何に競争力の高い組織を作るか、あるいは事業収益をあげられる人材を育成するか、といったキーワードがよく出てきます。これは、やはり資本主義というイデオロギーに呑み込まれている、おおよそ仁義とはかけ離れたワードだと思います。
やはり、アメリカを中心とした功利主義文明が世界を覆っていく中で、今一度、我々の思考を疑ってみることは重要だと思います。如何に世の中に貢献できる組織を作るか、如何に日本国民を幸せにできる人材をつくっていくか、こういった声が聞こえるのが理想の姿なのではないでしょうか。
「競争力の高い組織」、「事業収益をあげられる人材」いずれのキーワードも、組織側の論理であり消費者である個人に焦点は置かれていません。
だからこそ、組織に組み込まれる事によって個人の主体性はどんどんと衰退し、果てにはメンタルヘルスという事態を招くのではないかと思います。インターネット、ソーシャルメディアが発達した今、情報は溢れています。そして、この主体の発揮云々では相当な格差が生まれると思います。
我々が個人としてどのように生きていくのか、あるいは生きていくために組織とはどうあるべきなのか、こういったことを考え続けていきたいと思います。

いかがだったでしょうか。
吉田松陰の魂が幾ばくか伝わり、皆様の心に伝われば幸甚です。

ではでは、またーー!

人生を決めているもの。住宅と街並みとぼくの視線から考える人生論。

  家づくりを検討しはじめて約2ヶ月。あれだけ回避していたローンのリスクを受け入れて、家を建てることに決めた。日本の一戸建ての寿命が30年のところ、90年もつ家を建てることを知ったのが大きなきっかけだった。90年もてば3歳の息子も死ぬまで住むことができるだろう。それならローンを組...