2013年9月11日水曜日

強い人事をつくるために持つべき4つの視点

外の空気もだいぶ秋っぽくなってきました。だいぶ外回りも楽になってきましたねー。

少し涼しくなってきたからでしょうか、最近、なぜ小生のような仕事が世の中に求めらているのか、そんなことを考えている、今日この頃です。今日は、小生のような仕事が求められる理由から、人事のあるべき姿に近づくための4つの視点を考えてみました。


【コストセンターとしてのこれまでの人事】
人事の仕事は「採用」、「教育」、健康保険・厚生年金・労災保険・雇用保険など各種「保険加入手続き」、さらに近年、社会的に福利厚生の充実が求められる傾向が強く、休暇制度・家賃補助などの各種補助制度の整備や、社内行事の企画運営、オフィス環境の再設計など、コストセンターとしての仕事を中心としてきました。

その中でも、最初の「採用」や「教育」は花形の仕事ですが、それでも直接的にプロフィットを生み出すための仕事ではありませんでした。

小生はもっぱら「教育」や「人事評価制度」の専門で、多くの人事責任者と話をしてきました。その経験から言えることとして、人事マンは得てして「戦略性」や「経営という視点」が欠けているのではないかと思います。

高度経済成長時代を通した人事調整というもっぱら受け身的な体質から、今後は複雑性の高いグローバル経済を生き抜くための経営的・戦略的視点をもった自発的な人事への変革を求められているように思います。

【経営視点をもった人事を創造するために必要な4つの視点】
こうした時代環境のなかで、経営視点を持った人事をいかに創造したらいいのでしょうか。小生は4つの視点を持つことが肝要であると考えています。
  1. 事業視点
  2. パフォーマンス視点
  3. 環境視点
  4. 教育視点
の4つです。

①事業視点
まずはじめに持つべき視点は事業です。我社がどこへ向かっていて、それを達成するために乗り越えるべき課題は何か?ここを明確にする必要性があります。小生が属する組織・人事コンサルティング業界でも10年以上前になると、この視点がすっぽり抜けており、如何に素晴らしい教育を施すのかに終始していたようです。

これからは、変革を遂げた組織・人事コンサルティング業界のように、人事も事業視点にたった施策を行っていく必要性があると思います。

②パフォーマンス視点
①で明らかにした事業課題を解決するためにどのような「行動」が取られるべきか、またはその「行動」を促進するための人事施策は何か、という視点です。

最近では、大手企業を中心にコンピテンシー評価と呼ばれる「具体的な行動に対する評価」の仕組みを採用している企業も出てきていますが、とりわけ中小企業ではこの視点が欠けていると思います。

パフォーマンスとは、厳密の定義としては「成果が出るだろうと推測できる行動」というのが一般的です。そりゃあそうですよね。成果の出ない行動を求める社長はこの世に一人もいませんね。(汗)

③環境視点
上記のパフォーマンスが取れる環境が整っているか、というのが第3の視点です。この環境は、人事評価制度や直属上司、会社の立地など、様々な視点を含んでいます。

会社が求められるパフォーマンスが出来た場合、評価される人事評価制度になっているか。あるいは、上司はそのようなパフォーマンスを求め、褒めているか。そのパフォーマンスを実行できる物理的環境、例えば、営業ツールや会社の立地か、などがこの環境視点に当てはまります。

④教育視点
上記のパフォーマンスを行う上で、社員の能力は十分か?という視点です。これまでの人事がせっせと研修を企画していたのは、この問題を解決するためでした。これまでの説明を読んでいただいた方はおわかりかもしれませんが、そうなんです、教育研修にたどり着く前までに把握するべきことがたくさんあります。

●●ができていないから、教育研修というのは本当に経営や事業の目的にかなっているでしょうか。そのできていないことは、経営や事業に大きなネガティブインパクトを与えるでしょうか?こういったことを考えてから、教育研修のプランをたてていきたいものです。

①~④は人事の方々が確認をしていく順番も表しています。


いかがだったでしょうか。
今日は、経営に資する人事が持つべき視点ということで4つ紹介をしました。
皆様にお役立てできれば幸いです。


それでは!


人生を決めているもの。住宅と街並みとぼくの視線から考える人生論。

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