ここ最近、生きづらさを抱える愛着障害について調べてきました。そこでわかってきたことは、愛着障害を抱える人は同時に自分に自信がないということです。
充分な愛着を築けなかった人は、根底に人間不信、自己不信が存在しているのですが、その自己不信を助長するのが学校教育、あるいは学校生活であるということがわかってきました。
さまざまな調査結果をもとに検証していきたいと思います。
◼︎日本青少年研究所の日米中三カ国の高校生意識調査(2002年)
「私は他の人に劣らず価値ある人間である 」という項目で
「よく当てはまる 」 「まあ当てはまる 」と回答した比率は 、
日本 37.6 %
米国 89.3 %
中国 96.4 %
逆に 、 「自分はダメな人間だと思うことがある 」という項目で 「当てはまる 」を選択した比率は 、
日本73.0 %
米国48.3 %
中国36.9 %
◼︎日本青少年研究所の日米中韓四カ国の高校生の意識調査(2003年)
「全体としてみれば 、私は自分に満足している 」という項目で 、
「まったくそう思う 」と 「まあそう思う 」と答えた割合は 、
日本 約36 %(最低)
米国 約83 %(最高)
◼︎『自信力はどう育つか』朝日新聞社 (2003年)
慶応大学の河地和子氏は日本、アメリカ、スウェーデン、中国の14、5歳の男女約4000人におこなった調査結果を報告している。ここでも、日本の子どもたちの自信が低いという結果がでている。
「自分に積極的な評価をしている」という項目に「そう思う」と回答をした比率は、
日本 40 %
中国約 94 %、
スウェーデン 83 %
アメリカ 78 %
「私は自分を誇れるものがない」という項目に「そう思わない」と否定的回答をした比率は、
日本44 %
他国 70 %
◼︎OECDの高校一年生を対象にした学習到達度調査(2003年)
読解力は40カ国中14位で上位第二グループ、
科学的リテラシーは同点トップ、
問題解決能力は4位。
ところが、「学校は決断する自信をつけてくれた」という項目に肯定的な回答をした者の比率は、
40カ国の平均が70%なのに対して、日本の子どもはわずかに52%だった。
(国立教育政策研究所編 『生きるための知識と技能――OECD生徒の学習到達度調査(PIS)』 2004年)
このように調査結果から、日本の若者の自己肯定感や自己価値感が低いことがわかります。その理由は、学校の画一化への服従を求めること、生徒が学習したいことではなく学習指導要領に沿って進められること、競争を強いられることなどが考えられます。
人の充実度や幸福度を高めるためには学校教育の構造にもメスを入れていく必要性がありそうです。
思想を体現する。
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