2013年8月27日火曜日

教育計画策定の5つのステップ

中小企業経営者とお話をしている際に、結構よくある話は、「人材育成投資をしたい気持ちはあるが何から手をつけていいかわからない」といったものです。じゃあ、優先順位をつけましょう!と言うのは簡単なんですが、それ以外にもいくつか考えるべき視点があります。本ブログではこのテーマについて書いてみたいと思います。
  1. まずビジョンや経営計画・課題の確認
  2. 我が社に求められる人材要件や人材像の設定
  3. 人材育成対象・テーマの優先順位付け
  4. 実施方法の決定
  5. 人材育成プログラム内容の決定














【①ビジョンや経営計画・課題の確認】
まず我が社が掲げているビジョンや経営計画の確認を行います。当社が何を目指しているのか、経営の根幹となる方向性やそれにまつわる課題などを改めて可視化します。人材育成というとその施策自体が素晴らしいもの、いいものと認識されてしまうため、ドラッカーの言う「顧客の創造」という経営の目的を見失った育成方針を考えてしまいがちです。

【②我が社に求められる人材要件や人材像の設定】
経営や組織が向かうべき方向性が決まったら、ここから人材の話に入っていきます。そこへ行き着くための人材ってどんな人なんだろうってフェーズです。全社員に求めたいこと、職種、階層でいろいろと出てくると思いますが、ここはブレストフェーズとしてどんどんと出していくといいと思います。おそらく、数えきれないほどのテーマが出てくると思いますが(笑)

【③人材育成対象・テーマの優先順位付け】
ここからが育成対象者や育成テーマの絞り込みのフェーズに入ってきます。ここで、重要なのは組織が成果を最大化するための鍵を握っているのは誰で、その人が何ができるようになっていればいいのかという視点です。厳密には、1995年を境にアメリカを中心として広がりはじめたパフォーマンス・コンサルティングという手法を適用するのが1番の方法ですが、ここでは割愛します。要するに、

「誰が何をできるようになれば組織の生産性が最大化するという視点」が重要です。

【④実施方法の決定】
育成対象やテーマが決まったら、教育研修の実施方法ですね。投下できる予算や割けるマンパワーを勘案しながら検討を進めていきます。具体的には下記の方法があると考えています。

・コンサルタントを社内に招聘して実施
・社員が公開型のセミナーに参加する
・定額制研修を利用する
・社内勉強会を実施する
・OJTだけで育成する

上記の方法の中で1番適切だと思う選択するといいと思います。

【⑤人材育成プログラム内容の決定】
外注するのであればいくつかの教育研修会社を探します。社内実施であれば、教材や育成スケジュールをすべて一から考える必要性が出てきますので、手間がかかります。根気強く教育担当を決めるなりして進めていきましょう。

また、人材育成プログラムを考える際は、事前と事後のプロセスも考慮してプログラミングをしましょう。教育効果測定の研究者ブリンカホフ氏が言うように、えてして研修の内容ばかりに気が取られがちですが、本当に重要なのは、事前のマインドセットと事後のフォロー体制の仕組みです。研修のコンテンツだけに捉われないようにしましょう。逆に、研修内容の凄さばかりを強調してくる教育研修会社はあまり効果を重視していないということが言えるので、留意しましょう。

いかがだったでしょうか。

すべてのはじまりは、「顧客の創造」のための人材育成投資です。また、研修内容ではなくその事前時後の仕組みであることを認識しながら、計画を進めていけばうまくいくのではないかと思います。

それではー。

人生を決めているもの。住宅と街並みとぼくの視線から考える人生論。

  家づくりを検討しはじめて約2ヶ月。あれだけ回避していたローンのリスクを受け入れて、家を建てることに決めた。日本の一戸建ての寿命が30年のところ、90年もつ家を建てることを知ったのが大きなきっかけだった。90年もてば3歳の息子も死ぬまで住むことができるだろう。それならローンを組...