2015年2月17日火曜日

心の安定をもたらす”愛着”とは? 〜人が成長するために必要なもの〜

■愛着の重要性

愛着がなぜ重要なのか。

愛着は、幼い時期の母親との関わり、さまざまな対人関係を経験する中で確立され、単に心理学的というだけでなく、生物学的な特性でもあるからだ。

母親に抱っこされるという身体的な接触や結びつきが、子どもの成長に不可欠であることが明らかにされている。




■子どもは愛着なしでは育たない

イギリスの精神医科ジョン・ボウルヴィは、戦災孤児の調査でそのことを明らかにした。

孤児たちは、どんなに栄養を与えてもうまく育たなかったのである。母親を失うことによって子供が抱える異常な状態を、当時、「母性愛剥奪」という概念で捉えていた。


■不特定多数の愛着は意味がない

その後、さらに重要なこととしてわかったことは、愛着には選択性をもつということだった。

つまり、不特定多数の人からスキンシップや接触があればいいという訳ではなく、愛着した人からのスキンシップや接触でなければ、心理的な安心感は生まれないのであった。


■愛着のタイムリミット

その愛着はいつまででも育まれるものではない。生まれてから1年半、せいぜい2年までがタイムリミットだと言われている。

愛着が築かれなかった動物の赤ん坊では、大人になってから脳を調べると、受容体の数や神経線維の走行に明らかな違いが認められ、ストレスに対して過敏な傾向を示すという。


■経済合理性が愛着を殺してきた

ここ数十年、愛着というものが軽視されてきた。それは、現代の産科では子供が生まれて間もなく親と離されるが、それは哺乳類では唯一人間だけである。

動物的で原始的な感情であり、経済的豊かさといった近代的な課題と比較して、単なる心理的な問題で、大して重要でないと考えられてきてしまった。


■愛着を損なわない社会の構築を

愛着は、単なる心理的な問題などではなく、生存を支える仕組みとして非常に重要なものであるということを改めて確認することが重要だと思う。

そして、これから女性の就業率の向上が予測されるということを考えると、この愛着の問題も含めて、社会の再構築をしていく必要性があると思います。




思想を体現する。

人生を決めているもの。住宅と街並みとぼくの視線から考える人生論。

  家づくりを検討しはじめて約2ヶ月。あれだけ回避していたローンのリスクを受け入れて、家を建てることに決めた。日本の一戸建ての寿命が30年のところ、90年もつ家を建てることを知ったのが大きなきっかけだった。90年もてば3歳の息子も死ぬまで住むことができるだろう。それならローンを組...